単刺?置鍼?

日々の治療で単刺か置鍼は迷われるところかも知れません。
患者さん目線で考えると、単刺は指や肘では出来ない体の深部のマッサージで町のマッサージサロンでは得られない気持ちの良さで必ずやって欲しいものだと思います。
現状、この気持ちの良さを知っている人は非常に少ないと思われます。
鍼とは怖いもので痛いものという気持ちから放たれます。

日頃は置鍼を中心に治療されている方でも肩のケアには、その気持ちの良さも相まってぜひ雀啄されるのがいいかと思います。
例えば腰の治療での来院でも単刺での10分弱の肩のケアでリピート率というか主治医になって欲しい感が高まります。股関節の靭帯に比べて非常に弱い肩の靭帯、どんな方にも程度の差はあれ四十肩五十肩の危険は必ず訪れます。
回旋筋腱板の棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の特に上腕骨頭側の雀啄ケアは鍼治療の素晴らしさを体感できる部位で主治医になってもらい定期的なケアへ誘うことになるのです。勿論、骨盤靭帯底ごりなどを太い中国鍼でマイルド雀啄から置鍼へ等の折衷的な治療もあるかと思います。2段階針先仕様は雀啄や掃骨にも対応した中国鍼で折衷的な治療を意識したものです。

病院や治療というと暗いイメージがありますが、それはマイナスな状態をゼロに戻すという良くてゼロという意識があるからだと思います。そこに「気持ちがいい」「S字カーブから理想的な姿勢が戻った」「胃のおさまりも良く食事も美味しい」などプラスのイメージ転換へ治療の枠を超えた醍醐味です。また、操体法などで老化のもとになる関節可動域の保持・運動療法などの指導も生きてくると思います。

平成30年 春風駘蕩